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国民年金の「学生の納付特例」の効用はあるのか?

〇苦手な年金を勉強しているうちに身近な問題にぶつかった。


〇うちの子は19歳の学生だ。普通なら20歳になると国民年金を払わねばならない。でも今は「学生の納付特例」というのがあって7割くらいの人が全額免除されている。


〇さて、ここで考える。「払った方が得なのか損なのか。」と。今までは単純に特例を利用すると考えていた。せっかく勉強したんで試算することにした。


〇払わない期間は払い込んだものとしてみなされるが、もちろんこの期間分受給額が減らされる。40年、つまり480か月払うと満額で年金が受け取れる。来年なら老齢基礎年金部分は年間で780,900円出る。


〇今後2年半免除申請するとすると(半年という単位が許されると仮定した場合の話だ)、年間支給の減額部分は30/480×780,900=48,806円だ。例えば将来、75歳から85歳で死ぬまでの10年間支給を受けると(65歳支給なんてありえない。制度が崩壊する)合計488,060円の支給減額、となる。また年間48,806円ということは、2か月に1回支給だから1回あたり8,134円減る。結構大きいな、と思う。


〇一方で2年半払い込むと16,590×30か月=497,700円支払うことになる。これを上で書いた支給減額の488,060円から引くと488,060ー497,700=△9,640円となる。「学生の納付特例」を使った方が得になる。見た目は8,000円くらい減るが、実は学生が特例を使わず国民年金を払っても支払い分を年金支給で取り戻せない、ということが分かった。もちろんほんのちょっとの損なので、90歳くらいまで生きれば元は取れる。


〇ただ、今現在のそのまんまの状況だとそうだ、と言えるが、将来価値を加味してみるとどうだろう、とさらに考えてみた。


〇2020~2030年の物価上昇率は年間平均1.3%と予想されている。年金制度は物価を反映して支給額を毎年変えている。一方でマクロ調整を±0.9%かけている。よって1.3ー0.9=年間0.4%の受給率アップと考えてみる。息子が55年後受け取る予想年金額は現在の780,900円からどのくらい増えるか、というと972,634円になり、約25%も増えている。


〇また、国民年金の払込金には社会保険料控除が効く。所得税率10%+住民税率10%=20%だから199,080×20%=年間39,816円が戻ってくる。2年半で99,540円の還付だ。だから、ちゃんと払ったほうがいい、とも言える。


〇ただ、こうも言える。例えばデコヒコはあるが、俺は税引き後で年間約6%の投資収益を得ている。かりに2年半分の年金原資497,700円を証券投資で運用すると、55年後は12,268,464円になる。比べるまでもない。もっとも途中で死ぬと思うけど。


〇結論はこうなる。「お金に余裕があるなら国民年金を払った方がいい。ただ、75歳になるまで引き出せないし、早死にすると損をする。節税メリットもありすんなり払える人はおすすめ。一方で投資経験が豊富な人は自分で運用したほうがお得。お金もいつでも換金できる。無駄使いする人、投資経験が乏しい人なら黙って年金払うのが無難。」となった。一般的な家庭の人は無難に親が子供の保険料を払った方が得だ、ということになる。みんな特例を使うからうちも、と人は単純に思うものだし、俺もそう思っていた。今回の場合、結果は意外にも「払ったほうがベター」となった。


〇国民年金非加入は最悪だ。基礎はもちろん、障害、遺族など各種年金をもらえない。お金がない老後ほど不安なものはない。なによりも「国民の義務」を逃避した後の罰が恐い。どう考えても国がネチネチと真綿で首を絞めるように追徴する姿が目に浮かぶ。逃避するくらいなら免除申請をした方が賢い。


〇こうやって年金も勉強すると面白いものだ、と思う。うちの場合はやっぱり学生特例を使うと思う。俺が運用したほうがはるかに効率がいい。もしくは同額を積立投信なんかに突っ込んでもいい。ドルコスト平均法の利点が生かせそうだ、と思う。


〇ちなみに、計算機で複利計算をするときは利率(例えば4%なら0.04と入れる)××(×は2回押しね!)元金=と押して=を年数分だけ叩けば複利の元利金が出る。55回も叩くので「大丈夫か?」と心配になったがたぶん数字はあってると思う。金利が高い頃、俺もよくお客の前で電卓でこれを打ってた。ご参考までに。

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